076MICEの変遷① 海外ゲストの心をつかんだサムライパーティー

2021.9.24 Fri.

国際会議や学会、大会、企業のインセンティブツアー(成績優秀な社員や顧客を招待する報奨旅行)などを表す英語の頭文字を取った呼称「MICE(マイス)」。京王プラザホテルはこの50年の歴史を通して、「MICEに強いホテル」という定評を築き上げてきました。一躍その名を知らしめたのが、1973年夏、アメリカの冷蔵庫メーカー ギブソン社から受注した超大型インセンティブツアーの成功です。なかでもツアーのハイライトである表彰セレモニーにホテルが提案した「サムライパーティー」は、2500名余のお客様の心をつかみ大好評を博しました。

響き渡る太鼓の音とともに会場に現れたのは時代劇さながらの絢爛な大名行列。ギブソン社の社長夫妻が笑顔で迎えるなか、駕籠(かご)から降り立ったのはお殿様と奥方に扮した表彰者夫妻…。京王プラザホテルらしい「型にとらわれない楽しさ」を伝える演出に、大きな歓声と拍手がわき起こったといいます。
後日、ギブソン社から届いた手紙には「これほど献身的に働いてくれたスタッフはいない」「今までのホテルで最高だった」と感謝の言葉が。この成功が当時の欧米企業にとってツアーの対象地になりにくかったアジア地域の評価を変え、その後の大型ツアー獲得への大きなエポックとなりました。

お客様にいかに楽しんでいただくか、そのおもてなしに工夫を凝らし、チャレンジ精神をもって全スタッフが取り組む姿勢。現在まで受け継がれる全社一丸の社風と、MICEに強い京王プラザホテルの土台は、まさにこの時代に培われたのです。