098お客様とともに、50年の時を見届けてきたアートたち

2023.5.26 Fri.

ジャパニーズ・モダンの礎を築いた伝説的インテリアデザイナー剣持勇氏が、「世界に誇れる日本のホテル」を目指して全体デザインの指揮をとった京王プラザホテル。館内のアートにも気鋭のアーティストたちが招集され、その作品はホテルの歴史を今も静かに見守り続けています。

昨年107歳の生涯を終えられた篠田桃紅氏(1913~2021)は、70年を超える活動を通じて墨による抽象表現に独自の領域を拓かれた美術家。多くの人を魅了する桃紅水墨のモダンで先鋭的な作品のうち、京王プラザホテルでは20点以上を所蔵しています。なかでも南館4階/宴会場のホワイエを彩る屏風絵『武蔵野六曲』は、フランス料理レストラン〈アンブローシア〉のために開業時に制作された大作。他にも宴会場の随所に篠田氏の作品が飾られており、ご来館のお客様の目を楽しませています。

雪の世界を描き、“トミオカホワイト”と呼ばれる白絵の具の完成により独自の「白の世界」を築き上げた洋画家の富岡惣一郎氏(1922〜1994)は、リトグラフや油彩などの作品の他、開業当時45階にあったバー〈ポールスター〉の壁一面を飾るアルミエッチング画を担当いただくなど、ホテルとの縁が深い作家のお一人。その名も『京王プラザ』と題された油彩の作品には、武蔵野の面影残る西新宿にポツンと聳え立つホテルの姿が象徴的に描かれています。白と黒を基調として抽象的に、また具象的に創作された作品のうち、京王プラザホテルでは15点を所蔵しており、現在は4点をスイートルームや本館4階/カリヨンの前室でご覧いただくことができます。

開業時からアートを大切にしてきた京王プラザホテル。ご来館の際には、どうぞお気軽に作品をお訪ねください。

(写真左から)『武蔵野六曲』篠田桃紅氏/『京王プラザ』富岡惣一郎氏

(写真左から)『武蔵野六曲』篠田桃紅氏/
『京王プラザ』富岡惣一郎氏