024VOL.24 伝統と革新で守り続ける、中国料理〈南園〉の味

2018.6.04 Mon.

1971年、京王プラザホテル開業とともにオープンした本館2階の中国料理〈南園〉。

まだ日本に“広東料理”という概念も薄かった時代、その斬新な調理法や素材の独特の活かし方、上品で滋味深い美味しさは衆目を集めることとなり、中国料理の新しいスタイルがここで作り出されました。その歴史をすべて知るのが料理人としての一歩を〈南園〉で踏み出した、現在の南園総料理長 李国超です。

仕込み担当の下積みからスタートし、周富徳氏や譚彦彬氏など名料理人たちと厨房を共にしながら修業を重ねた若き日。歴代の先輩たちからは、料理センスや料理に対する厳しさを学んだと言います。大勢の厨房スタッフを束ねながら指揮をとる今、「質の高い素材選びと手間をかけることがこだわり」と受け継いできた伝統を大切にする一方で、本場香港で流行している調理法をタイムリーに取り入れるなど、お客様に喜んでいただける新しさも大事にしながら、李が大切に守ってきた<南園>の味。その卓越した料理技能と功績が認められ2011年には「現代の名工」を、さらに2014年には「黄綬褒章」を受章しました。開業以来〈南園〉一筋の料理人、李国超。

今日も厨房に立ちながら、新たな歴史の1ページを紡いでいます。