074やきものの魅力と文化を発信し続けてきた有田焼イベント

2021.8.27 Fri.

京王プラザホテルの夏を彩ってきた風物詩のひとつ、有田焼のイベント。館内に涼を呼ぶ伊万里・大川内山の風鈴の音色や、ロビーに展示される染付や色絵、白磁・青磁など選りすぐりの器を毎年楽しみされているお客様も多くいらっしゃることでしょう。その始まりはホテル開業10周年の1981年に遡ります。

第1回「大有田ぷらざ市」は、日本の陶芸文化を見直し、現代の暮らしに生かす提案を盛り込んだ文化発信型のイベントとしてスタート。陶器の展示販売のみならず有田焼に精通した方々を招いての文化フォーラムなど、これまでにないプログラムが大きな反響を呼びました。以降、「有田・伊万里やきもの夏まつり」と名称を変えても毎夏の人気イベントとして受け継がれ、2019年の開催で実に39回を数えています。

ホテル開催の魅力は、古伊万里や人間国宝の名品、貴重な個人コレクションなど、通常は美術館で展示されるような作品にも身近に触れられること。なかでも佐賀県と共催した2016年のイベントは、有田焼創業400年を大きく盛り上げ話題となりました。さらには毎年趣向を変えて創作される食と器のコラボレーションも、多彩なレストランを擁するホテルならではの楽しみに。人間国宝の井上萬二氏をはじめ、有田を代表する陶芸家や地元の窯元の方々との親交も、ホテルのかけがえのない財産となっています。

さまざまな角度から有田・伊万里の魅力にアプローチするホテルの企画力と有田のものづくりの力との協業によって回を重ねてきた有田焼イベント。開業50周年を迎えた今、ホテルだからこそできる日本の伝統文化発信をこれからも担っていきたいと考えています。

①②柴田コレクション展 柴田夫妻による佐賀県立九州陶磁文化館所蔵の貴重な古伊万里の数々は多くのお客様を魅了した
③2015年に有田焼創業400年を迎えるのを記念した佐賀県主催の特別展示。高さ2190mm「色絵花鳥図大花瓶」をはじめ、明治期の貴重な作品が並んだ
④美しいテーブルコーディネートと実力派窯元の作品の展示販売も人気